今更のセーラー プロフィット・マイカルタ [万年筆:国産]
セーラーのラスト「マイカルタ」と思われる...
「プロフィット・マイカルタ万年筆&ボールペン」を迷った
あげくセットで入手してしまいました。
初代マイカルタの完全復刻ではなく一つ前にリリースされた
「プロギア」タイプのプロフィット版と考えたほうが良いでしょう。
前にも記したことがありますが初代オールマイカルタ軸の
バランスと質感が僕はベストだと思ってます。
今回のマイカルタはプロギアタイプと同様に首軸部がオール
マイカルタ(初代は首軸とペン先の接合部に金属リング→
これがケッコウ腐食するんだけど...)、ねじ切り部が金属+プラで
あるためビミョウに重量バランスが異なってたり...。
そうはいっても、プロギアタイプよりは初代にバランスが近い
というのと川口さんの企画力と復刻の努力に敬意を表して?
(単なる言い訳)購入に踏み切りました。
僕はマイカルタの熱烈ファンではありますがプロギアタイプは
(保有はしたけど)今は1本も手元にありません。
バランスへの拘りとキャップと胴軸部の切削方向(材の取り方)
が異なっていた(逆)ことが嫌だった(美しくない)というのが
理由です。
それと復刻版のマイカルタ材そのもののクオリティーが初代より
低下しているように僕は感じてしまいました。
(切削、研磨技術の差もあるのか?)
元々個体差のある材ではありますが、模様の出方、手触り感、
エージーングの変化...etc、初代とはかなり違います。
ところで...素材のクオリティ&磨きに拘るのであれば、やはり
「柘製作所」ですよね!...既に過去形
廃盤になってしまったのが残念でならないのですが、ブライヤー、
エボナイト、マイカルタは同タイプのセーラー製品と比べると
割高感はありますが全てに於いてフィニッシュクオリティーが
一枚も二枚も上です。
素材の良さを極限まで引き出す柘さんの技術はやはりすばらしい!
お持ちの方は大切にしていただきたいと思います。(貴重です。)
ちょっと話しがそれてしまいましたが初代マイカルタと柘製作所
マイカルタを入手しそびれてしまった方でかつ、プロフィットタイプに
拘られる方には今回の商品がラストチャンスと思われるので、
僕的にはおすすめしときます。
※プロギアタイプより早く消えると思いますので...。
以下は簡単な「マイカルタ」Q&A
1.そもそもマイカルタって何?
(答え)→マイカルタという素材名は米国のウエスチングハウス
社の登録商標。フェノール系樹脂+綿麻布を高圧縮して
作った素材で絶縁・耐熱に優れ、衝撃(キズ)にも強い。
ハイテク産業の基礎素材(絶縁基板、科学プラントの歯車
とか)として幅広く使われている。ナイフのハンドル材と
しても有名
2.最初にマイカルタ万年筆を作ったのはセーラーなの?
(答え)→いいえ。丸善 ザ・センチュリー キャンバス・マイカルタ
(セーラー)が2001年にリリースされたのですが、2000年に
川窪万年筆さんが「パーマーカー」としてマイカルタ素材の
ハンドメイド万年筆を発表しています。
3.セーラーのマイカルタ万年筆って理想のバランスなの?
(答え)→一概には言えません。重量は約30gほどありプラ軸を常用
されていた方にはかなり重く感じられると思います。また
首軸近くを持たれる方にはリアヘビーとなるでしょう。
握りが中心~後方、筆圧が低めの方にはジャストフィット
する可能性は高いですが、いずれにしても試筆は必須です。
4.マイカルタのエージングってどんな感じなの?
(答え)→ブラックとグリーンとではかなり異なります。
◎ブラック→表面の綿麻布の白っぽさが徐々に消え凸凹感が
~すべすべに変化、革のような手に吸い付く感触に...。
深みのある艶っぽい黒へと変化
◎グリーン→明るめのブラウンから急激に濃い焦げ茶色へと
変化していく。感触等の変化はブラックと同様
5.インク染みが一度着いたらもう取れないのでしょうか?
(答え)→インク吸入時にはどうしても首軸部がインクに浸かって
しまい染みがついてしまうものです。なのでカートリッジ
のみで使われている方も多くいらしゃいます。特にグリーン
は染みが目立つので気をつけたいところですね。
インク染みは着いてしまった直後であれば殆ど問題なく
落ちてしまいます。一番簡単なのはぬるま湯につけ込んで
歯ブラシで染み部をゴシゴシ擦ってしまうこと。超音波洗浄
でもOKです。しかしネックが一つ...全体のエージングが
初期の白ちゃけたガサガサに戻ってしまうこと。
逆にいつでも新品の頃に逆戻りできちゃいます。
(染みを放置してしまった場合はぬるま湯につけ込み超音波
洗浄を繰り返してみてください...かなり綺麗になります。)
6.マイカルタ万年筆の良さって何ですか?
(答え)→セーラーでは「理想のバランス」をうたい文句にしてる感が
ありますが、それは人それぞれですから言い切ることは
難しいと思われます。個人的には1)エージング変化の趣
2)傷、衝撃にめっぽう強い 3)温度変化に左右されない
4)樹脂製とは思えない質感と感触(革のような)でしょうか。
(僕の書き癖にはこれ以上フィットする万年筆はありません。)
7.なぜ、マイカルタは樹脂系素材であるのにも関わらず
値段が高いのでしょうか?
(答え)→製造自体めちゃくちゃ手間がかかるとは聞いてますが...
一番の理由は加工の難しさ....。
工業用歯車に使われているくらいですから切削、研磨の
手間は木軸の10倍以上と言っても過言ではないようです。
加工の手間=人件費で高額にならざるを得ない...
というのが 理由でしょうか。また、マイカルタの材料が枯渇
していて入手が極めて困難になっています。
8.マイカルタの首軸は他のセーラー製品と互換性があるの?
(答え)→あります。プロフィット21タイプ(プロギアもOK...基本的に
2.1万~)であればOKです。首軸の汚れ防止の意味で
交換されて使われている方も多く見受けられます。
9.マイカルタでオススメの字幅はなんでしょうか?川口さんは
EFをすすめていますが...。
(答え)→一概には言えません。川口さんは以前「M」をすすめて
いたように記憶してます。なので自分が今、必要な字幅を
撰べばいいのです。
10.マイカルタ・ボールペンはおすすめですか?
(答え)→これも何とも言えません。僕が引っかかっている
点は2点あり...1)半端無くリアヘビーなこと。
ペン先近くを握られる方は万年筆以上にコントロールが
難しくなります。2)リフィルが4C使用であること
(特に太字系のバリエーションが少なく、純正は書き
心地が今ひとつ...。僕は「ラミー」に交換)
僕はあばたもえくぼモードで入手してしまいましたが、
今回のBPは試筆されてから買われるのが無難です。
今更ではありますが...
ぜひ、「マイカルタ」製品を一度実感されてみてください。
「プロフィット・マイカルタ万年筆&ボールペン」を迷った
あげくセットで入手してしまいました。
初代マイカルタの完全復刻ではなく一つ前にリリースされた
「プロギア」タイプのプロフィット版と考えたほうが良いでしょう。
前にも記したことがありますが初代オールマイカルタ軸の
バランスと質感が僕はベストだと思ってます。
今回のマイカルタはプロギアタイプと同様に首軸部がオール
マイカルタ(初代は首軸とペン先の接合部に金属リング→
これがケッコウ腐食するんだけど...)、ねじ切り部が金属+プラで
あるためビミョウに重量バランスが異なってたり...。
そうはいっても、プロギアタイプよりは初代にバランスが近い
というのと川口さんの企画力と復刻の努力に敬意を表して?
(単なる言い訳)購入に踏み切りました。
僕はマイカルタの熱烈ファンではありますがプロギアタイプは
(保有はしたけど)今は1本も手元にありません。
バランスへの拘りとキャップと胴軸部の切削方向(材の取り方)
が異なっていた(逆)ことが嫌だった(美しくない)というのが
理由です。
それと復刻版のマイカルタ材そのもののクオリティーが初代より
低下しているように僕は感じてしまいました。
(切削、研磨技術の差もあるのか?)
元々個体差のある材ではありますが、模様の出方、手触り感、
エージーングの変化...etc、初代とはかなり違います。
ところで...素材のクオリティ&磨きに拘るのであれば、やはり
「柘製作所」ですよね!...既に過去形
廃盤になってしまったのが残念でならないのですが、ブライヤー、
エボナイト、マイカルタは同タイプのセーラー製品と比べると
割高感はありますが全てに於いてフィニッシュクオリティーが
一枚も二枚も上です。
素材の良さを極限まで引き出す柘さんの技術はやはりすばらしい!
お持ちの方は大切にしていただきたいと思います。(貴重です。)
ちょっと話しがそれてしまいましたが初代マイカルタと柘製作所
マイカルタを入手しそびれてしまった方でかつ、プロフィットタイプに
拘られる方には今回の商品がラストチャンスと思われるので、
僕的にはおすすめしときます。
※プロギアタイプより早く消えると思いますので...。
以下は簡単な「マイカルタ」Q&A
1.そもそもマイカルタって何?
(答え)→マイカルタという素材名は米国のウエスチングハウス
社の登録商標。フェノール系樹脂+綿麻布を高圧縮して
作った素材で絶縁・耐熱に優れ、衝撃(キズ)にも強い。
ハイテク産業の基礎素材(絶縁基板、科学プラントの歯車
とか)として幅広く使われている。ナイフのハンドル材と
しても有名
2.最初にマイカルタ万年筆を作ったのはセーラーなの?
(答え)→いいえ。丸善 ザ・センチュリー キャンバス・マイカルタ
(セーラー)が2001年にリリースされたのですが、2000年に
川窪万年筆さんが「パーマーカー」としてマイカルタ素材の
ハンドメイド万年筆を発表しています。
3.セーラーのマイカルタ万年筆って理想のバランスなの?
(答え)→一概には言えません。重量は約30gほどありプラ軸を常用
されていた方にはかなり重く感じられると思います。また
首軸近くを持たれる方にはリアヘビーとなるでしょう。
握りが中心~後方、筆圧が低めの方にはジャストフィット
する可能性は高いですが、いずれにしても試筆は必須です。
4.マイカルタのエージングってどんな感じなの?
(答え)→ブラックとグリーンとではかなり異なります。
◎ブラック→表面の綿麻布の白っぽさが徐々に消え凸凹感が
~すべすべに変化、革のような手に吸い付く感触に...。
深みのある艶っぽい黒へと変化
◎グリーン→明るめのブラウンから急激に濃い焦げ茶色へと
変化していく。感触等の変化はブラックと同様
5.インク染みが一度着いたらもう取れないのでしょうか?
(答え)→インク吸入時にはどうしても首軸部がインクに浸かって
しまい染みがついてしまうものです。なのでカートリッジ
のみで使われている方も多くいらしゃいます。特にグリーン
は染みが目立つので気をつけたいところですね。
インク染みは着いてしまった直後であれば殆ど問題なく
落ちてしまいます。一番簡単なのはぬるま湯につけ込んで
歯ブラシで染み部をゴシゴシ擦ってしまうこと。超音波洗浄
でもOKです。しかしネックが一つ...全体のエージングが
初期の白ちゃけたガサガサに戻ってしまうこと。
逆にいつでも新品の頃に逆戻りできちゃいます。
(染みを放置してしまった場合はぬるま湯につけ込み超音波
洗浄を繰り返してみてください...かなり綺麗になります。)
6.マイカルタ万年筆の良さって何ですか?
(答え)→セーラーでは「理想のバランス」をうたい文句にしてる感が
ありますが、それは人それぞれですから言い切ることは
難しいと思われます。個人的には1)エージング変化の趣
2)傷、衝撃にめっぽう強い 3)温度変化に左右されない
4)樹脂製とは思えない質感と感触(革のような)でしょうか。
(僕の書き癖にはこれ以上フィットする万年筆はありません。)
7.なぜ、マイカルタは樹脂系素材であるのにも関わらず
値段が高いのでしょうか?
(答え)→製造自体めちゃくちゃ手間がかかるとは聞いてますが...
一番の理由は加工の難しさ....。
工業用歯車に使われているくらいですから切削、研磨の
手間は木軸の10倍以上と言っても過言ではないようです。
加工の手間=人件費で高額にならざるを得ない...
というのが 理由でしょうか。また、マイカルタの材料が枯渇
していて入手が極めて困難になっています。
8.マイカルタの首軸は他のセーラー製品と互換性があるの?
(答え)→あります。プロフィット21タイプ(プロギアもOK...基本的に
2.1万~)であればOKです。首軸の汚れ防止の意味で
交換されて使われている方も多く見受けられます。
9.マイカルタでオススメの字幅はなんでしょうか?川口さんは
EFをすすめていますが...。
(答え)→一概には言えません。川口さんは以前「M」をすすめて
いたように記憶してます。なので自分が今、必要な字幅を
撰べばいいのです。
10.マイカルタ・ボールペンはおすすめですか?
(答え)→これも何とも言えません。僕が引っかかっている
点は2点あり...1)半端無くリアヘビーなこと。
ペン先近くを握られる方は万年筆以上にコントロールが
難しくなります。2)リフィルが4C使用であること
(特に太字系のバリエーションが少なく、純正は書き
心地が今ひとつ...。僕は「ラミー」に交換)
僕はあばたもえくぼモードで入手してしまいましたが、
今回のBPは試筆されてから買われるのが無難です。
今更ではありますが...
ぜひ、「マイカルタ」製品を一度実感されてみてください。
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